ホームページはあるのに問い合わせが来ない。この状態の原因は3つしかありません。検索結果にそもそも出ていないのか、出ているのに開かれていないのか、開かれているのに問い合わせまで進まないのか。どれに当たるかは、Search ConsoleとGA4という無料のツールで自分で確かめられます。3つを切り分ける具体的な手順と、費用をかけずに直せる範囲、直す順番を順に書きます。
原因は3つに分かれる
問い合わせが来ないという症状は同じでも、止まっている場所は3か所のどれかです。検索結果に出ていない/出ているのに開かれない/開かれているのに問い合わせに進まない。この3つは、直し方も、直るまでの時間も、かかる費用も違います。だから最初に、自分の店がどれに当たるかを決めます。
| 段階 | 起きていること | 確かめる場所 | よくある症状 |
|---|---|---|---|
| ① 見つかっていない | 検索結果にほとんど表示されていない | Search Console の表示回数・クエリ | 店名でしか出ない。地域+業種で探すと出てこない |
| ② 選ばれていない | 表示はされるが開かれない | Search Console のクリック率・平均掲載順位 | 表示回数はあるのにクリックが極端に少ない |
| ③ 進まない | 開かれているが問い合わせに至らない | GA4 の離脱ページとボタンのクリック | アクセスはあるが電話もフォームも動かない |
確かめる順番は①からです。①で止まっているのに文言だけ書き換えても、見る人がいないので何も変わりません。逆に、直す順番は③からになります。理由は後半に書きます。
①「見つかっていない」を Search Console で確かめる
Search Console は、自分のサイトが Google の検索結果にどう出ているかを見るための無料の道具です。Googleが提供していて、サイトを持っている人なら誰でも登録できます。所有権の確認にサイトへタグを1行入れる作業があるので、制作会社に作ってもらったサイトなら、そこに頼めば数分で終わります。
- 1
検索パフォーマンスを開く
左のメニューから「検索パフォーマンス」を選びます。上に折れ線グラフ、下に表が出ます。ここだけ見れば①と②は判定できます。
- 2
期間を「過去3か月」にする
既定は過去3か月です。1週間だと数が小さすぎて判断できません。季節で客足が動く業種は過去12か月にして前年の同じ月と比べます。
- 3
「表示回数」の数字を見る
表示回数は、検索結果のどこかに自分のページが出た回数です。3か月で数十回しかないなら、①で止まっています。原因は順位ではなく、検索されている語に対応するページが無いことです。
- 4
「クエリ」タブで語を見る
表の「クエリ」タブに、実際に検索された語が並びます。店名やブランド名しか並んでいなければ、すでに店を知っている人にしか届いていません。「つくば ジム」「◯◯駅 まつげエクステ」のように、店を知らない人が使う語が入っているかを見ます。
- 5
「ページ」タブで受け皿を見る
クリックを取っているページが1〜2本に偏っていれば、受け皿が足りていません。指標の詳しい意味はSearch Console の検索パフォーマンスの見方に一覧があります。
①は、ページ数が足りないときにそのまま出ます。当社が自分で運用している別サイト(フィットネス記録アプリの公式サイト fitin.co.jp)は、記事を置く前の2026年2〜5月、表示回数が月167〜354回、クリックが月22〜66回でした。トップページと機能紹介しか無かったので、検索結果に出る機会自体がほとんどありません。6月から記事と使い方ガイドを置き始め、8月には表示51,663回・クリック1,087回になりました。数字はすべて Search Console の実測です。
②「選ばれていない」をクリック率で確かめる
表示回数はあるのにクリックが少ない場合は②です。同じ画面で「平均CTR」と「平均掲載順位」にチェックを入れると、表に2列が足されます。CTR(クリック率)は、表示された回数のうち何%が開かれたかです。平均掲載順位は、検索結果の何番目に出ているかの平均です。
この2つは連動します。当社が運用する fitin.co.jp の2026年8月の実測を、クリックの多い順に3ページ分並べます。
| ページ | 表示 | クリック | クリック率 | 平均掲載順位 |
|---|---|---|---|---|
| 計算ツールを載せた記事 | 14,154回 | 194回 | 1.4% | 6.0位 |
| 悩みに直接答えた記事 | 1,543回 | 153回 | 9.9% | 4.8位 |
| トップページ(店名などの指名検索) | 1,183回 | 98回 | 8.3% | 3.9位 |
1行目は表示が9倍あるのに、クリックは2行目とほとんど変わりません。順位が6.0位とやや下で、その差がクリック率に出ています。逆に3行目は、店名で探している人なので順位も上でクリック率も高い。表示が多いのにクリック率が低いページは、順位か、検索結果に出る文言のどちらかに理由があります。
文言というのは、検索結果に出るタイトルと、その下の説明文の2行です。ここに、地域名、業種、料金があるかどうか、営業時間、駐車場の有無といった、押す理由になる情報を入れます。サロンなら「◯◯駅徒歩3分」、教室なら「体験レッスン無料」、小さなECなら「送料無料の条件」。会社案内のような書き方のままだと、隣に並んだ競合との差がつきません。

クリック率が何%を切ったら直すべきですか。
業種や語によって基準が違うので、他社の平均値は当てになりません。自分のサイトの中で比べます。Search Console の表をクリック率の低い順に並べ替え、表示回数が多いのにクリック率が下位にあるページを上から直します。まず自分のサイト内の順位で決めるほうが早い。
③「来ているのに問い合わせがない」を確かめる
表示もクリックもあるのに問い合わせが来ないなら、止まっているのはサイトの中です。ここは GA4(Googleアナリティクス4・無料のアクセス解析)で見ます。見るのは2つ、どのページで人が離れているかと、問い合わせボタンが何回押されたかです。
ボタンのクリックは、既定では記録されません。GA4の管理画面でボタンやフォーム送信を「キーイベント」として登録する設定が要ります。この設定をしていない状態だと、問い合わせが来ない理由をデータで確かめる手段がありません。計測の設定が、原因探しより先です。
設定が済むまでの間にできることがあります。自分のスマートフォンで、客と同じ順路を最後まで通します。地域+業種で検索し、自分のサイトを開き、料金を探し、問い合わせを完了させる。そのあいだのタップ数を数えます。3回を超えていたら遠すぎます。
- 料金がどこにも書かれていない。金額を出さない方針でも、目安や「カウンセリング時にお見積り」の一文があるかどうかで離脱は変わります。
- 電話番号が画像や文字のままで、タップしても発信されない。スマートフォンからの問い合わせが多い業種では、ここだけで取りこぼします。
- フォームの入力項目が多い。氏名・連絡先・希望日の3つで足りるところに、住所や年齢や自由記述欄が並んでいないか。
- 問い合わせ先が最下部にしかない。ページの途中と最後の両方に置きます。
- スマートフォンで文字が小さい、地図が切れている。GA4の「デバイス」で、来訪の何割がスマートフォンかを先に確認します。

アクセス数はどのくらいあれば、③だと判断できますか。
月に数十人しか来ていないなら、③の判定はできません。来訪者の全員が問い合わせるわけではないので、母数が小さいうちは0件でも異常とは言えないからです。月100人を超えたあたりから、離脱ページの偏りが読めるようになります。それ未満なら、①と②を先に扱います。
直す順番と、自分でできる範囲
確かめる順は①→②→③、直す順は③→②→①です。逆になるのは、直るまでの時間と手間が③のほうが小さいためです。
- 1.③は今日直せる。料金の記載、電話番号のリンク化、フォームの項目削減、問い合わせ先の追加。すでに来ている人に効くので、翌週から結果が動きます。
- 2.②は数日から数週間。タイトルと説明文を書き換え、Googleが読み直すまで待ちます。Search Console の表示回数とクリック率で前後を比べます。
- 3.①は数か月。ページを足す作業なので時間がかかります。fitin.co.jp では、記事を置き始めた翌月に表示回数が月1万回を超え、3か月目に5万回台になりました。
無料でできる範囲は広い。Search Console と GA4 の導入、タイトルと説明文の書き換え、料金とアクセスの記載、問い合わせ導線の整理、Googleビジネスプロフィールの情報を埋めること。ここまでは費用ゼロです。お金がかかるのは①、つまりページを増やす作業に人手を使うところからで、外注する場合の相場はAIO対策の費用相場と、見積もりの読み方に実額で書いています。
3つとも当てはまっている気がします。どこから手を付けますか。
③から順に、上に書いた時間の短い順で手を付けます。③と②は自分のページの中で完結するので、①に取りかかりながら並行して進められます。ただし③を全部直しても、①で止まっていれば問い合わせ数は増えません。増えるのは、来た人が問い合わせる割合のほうです。この区別を持っておくと、効果が出ないときに何を疑うかが決まります。
参考:当社の場合
テマナシSEO/LLMOでは、ここに書いた①〜③の切り分けを無料の検索集客診断として実施しています。Search Console のデータをお預かりして、表示回数・クリック率・順位から今どこで止まっているかを判定し、地域と業種で実際に検索されている語の数と1ページ目の顔ぶれを調べてお渡しします。診断だけ受け取って、自分で直していただいて構いません。その後の運用を依頼する場合の金額は料金ページに実額で出しています。
参考資料・一次ソース
- AI機能とウェブサイト— Google 検索セントラル
- 生成AI機能向けのサイト最適化ガイド— Google 検索セントラル
- 構造化データに関する一般的なガイドライン— Google 検索セントラル
AUTHOR
この記事を書いた人

杉山 誇京
株式会社FiTin 代表・テマナシSEO/LLMO運営
デジタルマーケティング大手・オプト出身。大手メーカーから飲食店舗まで、幅広い業種のマーケティング支援に携わってきた。現在はマーケティングと開発の両方を武器に、EC・店舗・住宅など業種を問わずWeb集客サイトを自ら制作・運用している。
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