AIO対策は、順番を守れば途中まで自分で進められます。しかも現金の支出はほとんど発生しません。Googleが公開しているガイドは「AI機能のための特別な要件はなく、通常の検索向けの基礎がそのまま土台になる」という趣旨で書かれています。ここでは、現在地の計測から一次情報の洗い出し、構造化データとllms.txt、記事の書き方、効果の確かめ方までを順に並べます。どこから先に人手が要るのかも最後に分けます。
先に順番を決める。技術作業は後半にある
AIO対策とは、GoogleのAIによる概要やChatGPTのようなAI検索で、引用・推薦される側になるための施策を指します。「AIO対策 やり方」の月間検索数は110回で前年比+57%、「LLMO対策 やり方」は140回で−44%でした(ラッコキーワード、集計期間2025年8月〜2026年7月)。呼び方は揺れていますが、探している内容は同じです。親となる「AIO対策」は4,400回・+128%で伸びています。
手順を先に置きます。構造化データやllms.txtから始めたくなりますが、それは3番目です。何を書くかが決まっていないサイトに機械可読の印だけ付けても、AIに拾わせる中身がありません。
- 1
現在地を測る
Google Search ConsoleとGA4を入れる。どの語で何回表示され、何回クリックされているかを先に把握します。所要は初回の設置だけで、以降は自動で溜まります。
- 2
一次情報を洗い出す
自社にしか書けない事実(実測値・実例・手順・価格)を紙に書き出す。ここが引用される核になります。5工程で最も時間がかかる部分です。
- 3
構造化データを入れる
Organization/LocalBusiness/FAQPage/Articleを、該当するページに書く。一度入れれば、以降は新規ページで同じ形を使い回せます。
- 4
llms.txt を置く
サイト直下に、事業概要・提供内容・料金・FAQ・主要ページのURLをテキストで並べたファイルを置く。作業は1回、量にもよりますが半日程度です。
- 5
記事を書いて束ねる
結論を先に書き、質問と答えの形を混ぜ、一次情報を入れる。書いた記事どうしを内部リンクでつなぐ。ここだけは継続作業になります。
Googleは「生成AI機能向けのサイト最適化ガイド」と「AI機能とウェブサイト」で、AI機能に向けた特別な要件は設けていないという趣旨を示しています。通常の検索向けの基礎が土台だ、ということです。裏を返せば、順番を飛ばして小細工だけを足す道はありません。
手順1と2:現在地を測り、一次情報を洗い出す
最初の作業は計測の設置です。Google Search Consoleは、自社サイトが検索結果に表示された回数、クリック数、平均掲載順位、そして「どの語で出ているか」を見せます。GA4は入ってきた人がどのページを読んだかを見せます。どちらも無料で、費用はAIO対策の費用相場と、見積もりの読み方にまとめたとおり0円です。
設置直後にやることは1つです。検索パフォーマンスの画面を開き、表示回数の多い順に並んだ語をそのまま書き写す。ここに出てくる語が、いま自社が拾えている需要です。狙いたい語がこの一覧に1回も出てこないなら、その語ではまだ土俵に上がっていません。
この数字が、後で効果を判定する基準線になります。基準線を取らずに施策を始めると、3ヶ月後に「増えた気がする」以上のことが言えません。

2026年9月6日に「GEO対策」を検索したとき、上部に出たAIによる概要は、施策として「結論ファースト」「一次情報」「E-E-A-T」を挙げていました。AI側の要約が一次情報を名指ししている、という記録です。
一次情報とは、自社で測った・自社で起きた・自社が決めた事実を指します。他社の記事を読み直しても出てきません。次の4種類を、社内から拾い出します。
- 実測値:施術・納品・対応にかかった実際の時間、リピート率、来店数の推移。桁を丸めず、いつ時点の数字かを添える。
- 実例:どんな相談が来て、何をして、どうなったか。1件ずつ書く。個人が特定される情報は外す。
- 手順:自社が実際に踏んでいる工程。他社と違う判断をしている箇所ほど価値があります。
- 価格:自社の実額。同じ2026年9月6日、「AIO対策 費用」の検索1ページ目8本のうち、自社の実額を本文に書いていたのは1本だけでした。書けば、それだけで他と違う情報になります。
この工程には、社内の人しか持っていない記憶と数字が要ります。ここさえ手元にあれば、以降の作業は形式的なものです。
一次情報が思いつきません。どこから探しますか。
問い合わせと予約のやり取りが一次情報の山です。過去3ヶ月分を開いて、聞かれた質問をそのまま書き出してください。同じ質問が3回以上出ていれば、それは検索されている質問でもあります。答えを事実で書けば、記事1本になります。
手順3:構造化データと llms.txt を置く。作業は一度きり
構造化データは、ページの内容を機械が読める形で書き添えるコードです。会社情報はOrganization、店舗ならLocalBusiness、よくある質問のページはFAQPage、記事ページはArticleを使います。書式と守るべき条件はGoogleの「構造化データに関する一般的なガイドライン」にあります。要点は、ページに表示されていない内容を構造化データにだけ書かない、という一点です。書いたらGoogleのリッチリザルトテストで検証します。
llms.txtは、サイト直下に置くテキストファイルです。事業概要、提供内容、料金、FAQ、主要ページのURLを装飾なしの文章で並べます。当社のサイトにも置いていて、載せているのはこの5種類です。「llms.txt 書き方」の月間検索数は170回、「構造化データ 書き方」は40回でした。
手順4:記事は結論から書き、内部リンクで束ねる
記事の書き方は3点です。結論を最初の段落に置く。想定される質問と、その答えの形を本文に入れる。手順2で洗い出した一次情報を必ず1つ以上入れる。この3点が、AIの要約に拾われる文章の形です。
書いた記事は、そのままでは点のままです。関連する記事どうしをリンクでつなぎます。このとき、リンクはaタグとhref属性で書きます。Googleは「リンクのベストプラクティス」で、クロールできる形式でなければリンクとして扱われない旨を示しています。クリックで動くだけのボタンや、JavaScriptだけで遷移する要素は、この条件を満たしません。
記事は月に何本書けばいいですか。
本数の正解はありません。決めるべきは、続けられる本数です。月2本を12ヶ月続けたサイトと、初月に10本出して止まったサイトでは、前者のほうが計測できます。記事が検索エンジンに評価されるまで通常3〜6ヶ月かかるので、本数より、止めない設計を先に決めてください。
手順5:効果を確かめ、外注の境目を決める
効果の判定はSearch Consoleの表示回数で行います。手順1で控えた基準線と比べ、狙った語の表示回数が増えているかを4〜8週間ごとに見ます。クリック数は表示回数より遅れて動くので、先に見るのは表示回数です。
AIによる概要に引用されたかどうかは、自分で検索して目に見えたものを記録するしかありません。同じ語を同じ条件で検索し、概要が出たか、どのドメインが引用されていたかを月1回控えます。2026年9月6日の実測では、「AIO対策 費用」「AIO対策 会社」「GEO対策」「パーソナルジム ホームページ制作」の4語すべてにAIによる概要が出ていました。引用の回数を数える公式な計測手段は、現時点では存在しません。回数を保証する話が出てきたら、どう数えているのかを聞いてください。

ここまでの5手順を、支出と手間で分けます。現金が出ていくのはツール代だけで、残りはすべて時間です。
| 工程 | 費用 | 手間の性質 |
|---|---|---|
| Search Console・GA4の設置と確認 | 無料 | 初回の設置のみ。以降は月1回見るだけ |
| 月間検索数の取得(ラッコキーワード) | 月660円〜 | 語を決めるときだけ使う |
| 構造化データの実装 | 自分で書けば0円 | 一度きり。HTMLを触れる人が要る |
| llms.txtの設置 | 自分で書けば0円 | 一度きり。半日程度 |
| 一次情報の洗い出し | 0円 | 社内の人しかできない。継続的に増やす |
| 記事の制作と公開 | 0円 | 毎月続く。1本あたりの時間を実測して判断する |
外注を考える境目は、はっきりしています。構造化データとllms.txtは一度きりの作業なので、外注しても単発の費用で終わります。計測は無料で、誰がやっても同じ結果になります。人手が要り続けるのは、一次情報の掘り起こしと記事の継続制作の2つだけです。
どこまで自分でやって、どこから頼むのが現実的ですか。
判断の材料は、記事1本にかかる自分の時間です。1本を、語の選定・構成・執筆・画像の用意・入稿の5工程に分けて実際に作り、各工程の時間を記録します。合計時間に自分の時給を掛けた額が、外注の見積もりと並べる数字です。工程ごとに測っておけば、執筆だけ頼む・入稿だけ頼むという分け方もできます。
参考:当社の場合
テマナシSEO/LLMOでは、月額¥50,000(税込・最低6ヶ月)で新規記事を月8本制作し、構造化データとllms.txtの設置は初期設定に標準で含めています。手順1と手順5の計測は無料のツールで行うため、ここに費用は乗りません。含むもの・含まないものは料金ページに行単位で載せています。上に書いた手順は当社の契約がなくても同じように進められる内容なので、まず自分で試してから比べてください。
参考資料・一次ソース
- AI機能とウェブサイト— Google 検索セントラル
- 生成AI機能向けのサイト最適化ガイド— Google 検索セントラル
- 構造化データに関する一般的なガイドライン— Google 検索セントラル
AUTHOR
この記事を書いた人

杉山 誇京
株式会社FiTin 代表・テマナシSEO/LLMO運営
デジタルマーケティング大手・オプト出身。大手メーカーから飲食店舗まで、幅広い業種のマーケティング支援に携わってきた。現在はマーケティングと開発の両方を武器に、EC・店舗・住宅など業種を問わずWeb集客サイトを自ら制作・運用している。
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